わたしは、

周りのお客さんの楽しそうな様子を見ながら

また、スマホを見ながらひとりでビールを飲んでいました。


所在ない…というのでしょうか。


身の置き場がないというか

そんな感じでした。



コースのお料理は、連れが来るまでは

出てはきません。


お店の方も付かず離れず

なんとなくわたしに気遣いをしてくれていました。


キビキビとしたホールのスタッフの方の所作を見るともなしに見たり…



そんなときに、またメールが来て


まだ遅れるのかなって思っていたら


「朝から前倒しで仕事してるけど終らない…もう少し遅れる。

誕生日会なのにごめん。」


というような内容でした。


仕方ないです。



でもすぐにまたメールが来て


「終わらないから…行きます」と。



なんだか申し訳ない気持ちになりました。



駅からも5分くらいかかるし、


ラッシュ時だからまだ来ないだろうな、と

スマホを眺めていたら、


気づいたら彼が横にいました(笑)


入口から入ってくるのを気づかなかったのです。

待ちわびていた割にはひどいですよね、わたし😅



彼は確か「来たよ。」ってそのとき言っていた記憶があります。



結局、遅れた時間は30分もなかったのですが


仕事をしながらわたしにメールをしたりして

彼も大変だったなぁと思いました。


「ごめんね、。」と彼。


「わたしこそ、仕事あったのに慌てて来てくれてごめんね。」



「いやいや、朝からやってたけど突発的な仕事も入ってさ。」



「でも案外早かったじゃない? 慌てさせてごめんね。お店わかった? 」


「うん、駅からダッシュした。」

「ダッシュって、、走ったの?」

「うん。」


まだ気温が今ほど寒くなかったのに

坂道を走ってきてくれた彼…


仕事だから仕方ないだろって

開き直る彼氏さんもいるだろうけど、

彼はそんなこと言いません。


(昔付き合っていた彼に、仕事で遅れるってときに、不可抗力っていわれたことがあります。そんなときに、不可抗力なんて使うか…と思ったことがあります。)


「せっかく予約までしてるのに、待たせてゴメンね。」と。



テーブル席があいていたので

カウンターから移らせてもらい

顔を見つめ合いながら生ビールで乾杯しました。


「お誕生日おめでとう♪」


淋しかった30分が嘘みたいに


わたしは笑顔になったと思います。


お店の人もホッとされたかもしれません。